この記事の対象:医療レーザー脱毛における打ち漏れとその保証について詳しく知りたい人
こんにちわ。所長 (@otokono_biyou) だ。
今日は、医療レーザー脱毛における「打ち漏れ(照射漏れ)」の説明と大手クリニック各社の対応や保証についてまとめる。
脱毛を検討している人や既に脱毛に通っている人は参考にしてほしい。
「打ち漏れ」とは?
「打ち漏れ」または、「照射漏れ」とは、読んで字の如く、レーザーを打ち漏らした部分が明らかに存在する場合を指す。
通常、レーザー照射施術を受けたあと、脱毛部位にもよるが2週間程度で毛が抜け落ちてくる。
打ち漏れがあった場合は、周りの毛が抜けているのに、他より明らかに毛が残っている部分があれば打ち漏れの可能性が高い。
例としては、一か所に集中して毛が残っていたり1列そろって毛が残っていたりする場合が該当する。
こういうやつだ。
照射後すぐに判断できるわけではなく、きちんと照射出来てる部分の毛が抜け出して始めて分かる。
さらに、そもそも照射強度が十分ではなく全体的に抜けない、またはまばらだが全体的に万遍なく抜ける場合は打ち“漏れ”には該当しない。
また、メディオスターNeXT PROなどの蓄熱式脱毛の場合は熱破壊式脱毛に比べて、そもそも毛が抜けにくい(「抜けない」とはっきり述べているクリニックもある)ということもあり判断が難しい。
とにかくポイントは、抜け具合の絶対的な基準ではなく、他の箇所と比べての相対的な判断になるということである。
機器や脱毛部位による打ち漏れの起こりやすさ
例えばダイオードレーザーの代表的な脱毛器であるライトシェアデュエットは照射口が四角い。
一方、アレキサンドライトレーザーの代表的な脱毛器であるジェントルレーズは照射口が円形だ。
下図のように、両者を比較すると円形の照射口の方が相対的に照射漏れが大きくなる。
右側のように施術者が上手く照射した場合でも非照射箇所をゼロには出来ない。
当然、照射光が四角形でも、施術者がポカをやらかすと、下図のようにライン状に照射されない箇所が残ったりする。
なお、円形の場合は非照射箇所の発生を避けられないということで、通常少しだけ重ね打ちを行う。
中の人に聞いた話では、照射スポットの1/3程度の重なりを狙うそうだ。
しかし、これも本来一撃で毛根組織を破壊する強度の照射を複数回行われる箇所が発生してしまうい、肌へのダメージが懸念される。
結局、施術効果とやけどなどのリスクはトレードオフだということである。
また、照射部位でも打ち漏れの可能性は異なる。
胸や太ももなど比較的平坦な箇所と比べて、VIOやあご(顔)などは凸凹しており照射口をきっちり肌に当てることが難しい。
男性の場合は女性よりも骨格がゴツゴツしているので、その分照射が難しく、施術者の腕も要求されるそうだ。
ということで結局何が言いたいかと、打ち漏れは起こる!ということ。
施術は人の手で行われるので、完全に照射部位全域を均等かつ十分に照射することは難しい。
重要なのは打ち漏れが発覚した後の対応だ。
ということで、次章でメンズ向けのレーザー脱毛を手がけるクリニック各社の「打ち漏れ」への対応を見てみよう。
各社の打ち漏れへの対応・保証
ここでは例のごとく、利用者が多いクリニック大手三社を取り上げる。
- ゴリラクリニック
- メンズリゼ
- 湘南美容クリニック
ゴリラクリニックの「打ち漏れ」保証
トップバッターはゴリラクリニック。
ここは、ホームページおよび契約書面に「打ち漏れ」についての記述がなかったので、
「どこに記載がありますか?」
と問い合わせたところ、下記の回答を貰った。
「打ち漏れ」についてどこに記載してありますか?その保証内容は?
ホームページ等には掲載していない
顧客が保証内容を参照出来るかたちでは掲載していないとのこと(2019年2月時点)だが、下記の通りの返答を頂いた。
内部の運用規定はあるようだ。
【問い合わせに対する回答(メール)】
照射漏れがあったと思われる場合は
看護師が照射箇所を確認させていただきまして
照射漏れ部位につきましては再照射させていただきます。ヒゲの場合は2週間から3週間ほど
体の場合は2週間から4週間ほどの期間に
再度お越しいただだけるようお願いしております。期間内のご来院が難しい場合や
目安期間を経過してから照射漏れが発覚した場合は
期間にかかわらず受付をいたしますので
経過について不安な点がございましたらまずは一度ご連絡くださいませ。
ヒゲ、体ごとに概ね対応の目安の期間はあるが、フレキシブルに対応するような“印象”はある。
ただ、前述したとおり打ち漏れを完全に防げない以上、その対応策をオフィシャルな形で掲載しないというのは些か褒められたものではないと個人的には思う。
逆に規定で線引せずともフレキシブルに対応するということの現れかもしれないが。
メンズリゼの「打ち漏れ」保証
続いてはメンズリゼ。
こちらは「打ち漏れ」の可能性にきちんと言及し、ホームページにきっちりと説明ページを設けている。
当該部分の保証を要約すると以下のとおり。
- 打ち漏れ保証として再照射を行う
- 予約:優先して対応する
- 費用:無料
- 当然、再照射はコース回数にカウントされない
- 期間の目安:照射から4週間以内
https://www.mens-rize.com/knowledge/miss.html
湘南美容クリニック
最後は湘南美容クリニック。
ホームページに「脱毛・医療レーザー脱毛の安心保証制度」と題して、保証内容が掲載されている。
https://www.s-b-c.net/topics/hoshou/bodycare.html
施術名 | 保証期間 | 保証内容 |
---|---|---|
医療脱毛 (ジェントルレイズ) | 2週間 | 照射漏れがあった場合、該当部位を再照射 ・判定:照射日から5日目以降(男性のひげは翌日以降) ・安心保証の判定、施術日は、該当部位を剃毛せずに来院すること ・VIOは、毛が抜けにくいメカニズムのため保証対象外 ・保証期間を過ぎた場合、1ショット¥750の施術料金 |
ウルトラ美容脱毛 メディオスター | 4週間 | 照射漏れがあった場合、該当部位を再照射 ・判定:照射日から14日目以降 ・安心保証の判定、施術日は、該当部位を剃毛せずに来院すること ・VIOは、毛が抜けにくいメカニズムのため保証対象外 |
基本は上記の表の通りで、その他条件に
- 再施術の決定の際には、医師による診察および、施術前後の写真による判定
- 施術に関わる診察、再施術は、実施した院にて原則として担当医が行う
などがある。
まとめ:各社の「打ち漏れ」に対する保証
各社の「打ち漏れ」に対する対応・保証のまとめは以下の通り。
施術業者 | 保証期間 | 費用 | 規定掲載 |
---|---|---|---|
ゴリラクリニック | ヒゲ:3週間 体:4週間 | 無料 | なし |
メンズリゼ | 4週間 | 無料 | あり |
湘南美容クリニック | ジェントルレイズ:2週間 メディオスター:4週間 | 基本無料 | あり |
文言のみだが、対応がフレキシブルそうなのはゴリラクリニック。
そして、もっとも誠実な説明の掲載を行っているのがメンズリゼ。
湘南美容クリニックはメンズ専業ではないため、何倍もの市場規模を誇る女性の施術トラブルもあるはず。
よって、相談の絶対数が多く紋切り型で対応を区切る必要があるのかも知れない。
また、コースの費用も他の2社と比べて格安であるので、保証の充実度とトレードオフなのは当然といえば当然。
ネットではこれら三社以外にも様々な業者で起こった施術トラブルが報告されている。
施術業者を選ぶ際には安さのみではなく、
- 料金
- 保証内容
- 使用できる機器
- 立地(通いやすさ)
などを総合的に調べて判断してほしい。
<おわり>