歯列矯正装置の種類~ワイヤー矯正とマウスピース矯正のメリット&デメリット~

矯正装置の種類

この記事の対象:歯列矯正をはじめたいがどんな種類があるのか知りたい人

こんにちわ。所長 (@otokono_biyou) だ。

今回は歯列矯正の装置の種類について紹介する。

矯正と言えば、ギラギラと目立つ金属の装置のイメージがあるかもしれないが、それも今はもう古い。
現在は様々な目立たない工夫を凝らした装置が登場している。

もちろん金額やメリット・デメリットもそれぞれ異なる。

このページでは主にワイヤー矯正とマウスピース矯正に大別して、それぞれの装置の特徴を解説する。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは歯の表面にブラケットという装置を接着して、そこにアーチ型のワイヤーを組み込んで歯列を調節していく方法のこと。

  • フルブラケット法
  • マルチブラケット法
  • ダイレクトボンディング法
  • エッジワイズ法

などと呼ばれる。

マルチブラケット法
via Morgan Orthodontics

ワイヤー矯正さらにいろいろな観点で分類できるが、最も代表的なものは装置を歯の表か裏どちら側に付けるかによる分類。
患者側の選択としても見た目やしゃべり易さなどを左右するため最も着目する分類方法となるだろう。

装置を表側につけるか or 裏につけるかによる分類

上顎、下顎それぞれに対して、表側・裏側のどちらかに矯正装置を付けるかにより主に下記の3種類に分類できる。

種類上顎下顎イメージ
表側矯正表側表側
表側矯正
裏側矯正
(舌側矯正、リンガル矯正)
裏側裏側
裏側矯正
ハーフリンガル矯正裏側表側
ハーフリンガル矯正

次に3種類それぞれの特徴(メリット・デメリット)を見てこう。

表側矯正の特徴(メリット・デメリット)

歯の外側(唇の側)に着ける方法で、もっとも一般的な手法。

  • メリット
    • 歴史・信頼感がある
    • 比較的安価
    • 幅広い症状の不正咬合治療に対応可能
  • デメリット
    • 装置が目立つ

装置が目立つことがやはり審美面を気にする人にはデメリットとなるが、現在は材質・色などのバリエーションでより目立ちにくいものも存在する。

 メタルワイヤー矯正ホワイトワイヤー矯正
ワイヤー金属ワイヤーホワイトワイヤー
※金属表面を白くコーティングしたもの
ブラケット金属ブラケットクリアブラケット
※プラスチック製、セラミック製など
費用50-80万円(両顎)メタルワイヤー矯正 + 10~20万円
メリット装置の強度が高い装置が目立ちにくい
イメージ
メタルワイヤー矯正
ホワイトワイヤー矯正

所長

ちなみに私はホワイトワイヤー矯正を選択した

裏側矯正の特徴(メリット・デメリット)

歯の裏側(舌側)に装置を装着する矯正方法。
舌側矯正、リンガル矯正とも呼ばれる。
特に後述するハーフリンガルに対して「フルリンガル」とも呼ばれる。

  • メリット
    • 装置が外側から見えず他人に気づかれにくい
    • 前方に出た前歯を引っ張りやすい
    • 歯の表側が虫歯になりにくい
    • 治療中の口元の変化を常に確認できる
    • スポーツ等の外的な衝撃で装置によって唇を傷つけない
  • デメリット
    • 装置が舌に当たるため慣れるまでに違和感がある
    • 発音しにくい
    • 舌を傷つけやすい
    • 表側矯正に比べて費用が高額
    • 矯正医の技術力が必要
    • 表側矯正と比較すると、適用範囲が狭い
    • 表側矯正と比較すると、治療期間が長い

費用は概ね100~120万円ほど。


近年は、口内の違和感が少ない薄く滑らかなブラケットが開発されている。
最先端の矯正システムを2つ紹介する。
このような治療はどこでも受けれられうわけではなく特別なトレーニングを受講し認定された矯正歯科医に限られる。

インコグニト(Incognito)

インコグニト
via 3M

CAD(コンピュータ支援設計)/CAM(コンピュータ支援製造)ソフトウェアを用いた、患者個々人の歯の形状に合わせたカスタムメイドのブラケットやワイヤーを作成するシステム。
歯面に密接ブラケットは違和感が少なく、普段と同じように発音できる、かつ歯を正確な位置に短期間に並べることができるようになる。

参考インコグニト™ アプライアンス システムとは | 3M

ハーモニー(HARMONY)

ハーモニー
via ASO International

インコグニト同様に、デジタルスキャンとCAD/CAM技術により高い精度で歯形状ににマッチングしますしたブラケットを製作するシステム。
ワイヤーがブラケット内で可動(回転)するという特徴を持っており、口腔衛生管理の面でも改善が期待できる。

参考ハーモニーは、ユニークな特長を併せ持つリンガル矯正装置 | ASO International, Inc.

ハーフリンガル矯正(メリット・デメリット)

特に目立つ上顎は裏側に装置(リンガルブラケット)をつけ、下顎は表側に装置を付ける手法。
表側矯正と裏側矯正の双方のメリットを享受できる。

  • メリット
    • 目立つ上顎の装置が外側から見えないため、目立たない
    • フルリンガル矯正に比べて費用を抑えられる
    • フルリンガル矯正に比べて装置の違和感を抑えられる
    • +フルリンガル矯正のメリット
  • デメリット
    • +フルリンガル矯正のデメリット

費用は概ね80~100万円ほど。

マウスピース矯正

続いて、ワイヤー矯正とは全く別の手法であるマウスピース矯正について説明する。

マウスピース矯正とは、マウスピース(アライナー)を装着して歯列を整えていく矯正方法。
薄い透明な素材でできたマウスピースを、概ね2週間ごとに取り替えて少しづつ歯を動かしていく。

マウスピース矯正

マウスピース矯正のメリットとデメリット

一般的なマウスピース矯正のメリットとデメリットをまとめた。

  • メリット
    • 矯正装置が透明で目立ちにくい
    • 食事や歯磨きの時など、必要に応じて装置を取り外せるため口腔内を衛生的に保つことができる
    • ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない
  • デメリット
    • 時間どおりに装着するかどうかは患者様に委ねられている
    • マウスピース矯正ができない歯並びがある(凸凹が激しい不正咬合など)

次に具体的なマウスピース矯正システムを紹介する。

インビザライン(invisalign)

インビザライン

もっとも有名なマウスピース矯正システム。

アメリカのAlign Technology(アライン・テクノロジー)社により開発され、1999年から提供が開始される。
現在、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに520万人を超える人が治療を受けられている(2018年1月時点)。

精密検査で得られた3Dデータをもとに、患者一人一人に合わせてマウスピースが設計・制作される。
治療の全過程のマウスピースが最初にまとめて一度に製造される。

その他特徴は下記の通り。

  • クリンチェック:術前シミュレーションにより、治療開始から終了までの歯の動きを、治療開始前に3D画像で確認できる
  • 装置時間:1日20時間以上
  • 治療期間:ワイヤー矯正と変わらないとされている
  • 費用:75万円~110万円

参考インビザライン・システム(公式)

DENマウスピース

DENマウスピース

DENマウスピースの特徴は装着時間が1日8~10時間と短いこと。
他のマウスピース矯正の約半分の時間なので、就寝中+αで装着時間を満足できる。

またインビザラインと違い、来院毎に次の型取りを行うため矯正中でも虫歯の治療や歯冠の修復等を行うことが出来る。

DENマウスピース提携クリニックは現在全国に31都道府県134医院あり、3000人の治療実績がある。

費用は30万円~120万円(歯科医院の料金体系による)

参考:マウスピース矯正 DENマウスピース(https://www.den-mouthpiece.jp/)

まとめ:ワイヤー矯正、マウスピース矯正それぞれの特徴を理解して選択しよう

ワイヤー矯正とマウスピース矯正それぞれの方法の特徴を説明した。

全体として

  • 装置が目立たない手法や外観の工夫が開発されている
  • CAE/CAMの発達により、個々人に合わせたオーダーメイドな装置作製が加速している
  • 長期に渡り装置を付けるうえで、快適性も改良されている

という特徴が挙げらる。

これまで矯正治療のデメリットとして挙げられていた

  • 装置をつけることにより審美性が損なわれる点
  • 長期装着の問題

について、それほど高いハードルではなくなってきている。

なお、ワイヤー矯正(表側・裏側の違いも含む)、マウスピース矯正はそれぞれ得意とする歯科医院は異なるので、矯正を検討中で方法を決めかねているひとはどちらの医院にも話を聞いてみることをおすすめする。

<おわり>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です